2024年9月5日・6日の2日間にわたり【食欲の秋!集客の秋!繁盛店の秘密がわかる 飲食集客フェスティバル2024】を開催しました!
飲食業界で活躍する10名の豪華ゲストをお招きし、飲食店経営の極意や繁盛店の秘策、SNS活用法など、貴重なノウハウをたっぷりとお話しいただきました。
過去最大規模となる2DAYS開催ということもあり、1,300人以上の方にご応募いただく大盛況ぶり。
質問や応援コメントが飛び交い、皆様の熱意にスタッフ一同、感謝の気持ちでいっぱいです。
ご参加くださった皆様、そして素晴らしい講演をしてくださったゲストの皆様、本当にありがとうございました!
今回の記事では、飲食集客フェスティバル2024 1日目のレポートをお届けします。
13:00~ オープニングトーク
まずは、合同会社Smart Beの伊藤からご挨拶と飲食集客フェスティバル全体の流れについて説明いたしました。
1日目のテーマは「繁盛店にするための飲食店経営ノウハウ」。飲食業界の第一線で活躍する5名のゲストから、飲食店経営のノウハウはもちろん、自社で成功を収めたSNS集客法やヒット商品の開発プロセス 、大手企業に負けない戦略まで詳しく教えていただきました!
実際の成功事例や独自のビジネス戦略について、具体的な数字や事例を交えた貴重な内容ばかりでしたね。ぜひ、今回学んだ知識やアイデアを、皆様の飲食店やカフェ経営にお役立てください!
13:05~ サイゼリヤ元社長 堀埜一成 様
最初の登壇者は、誰もが知るサイゼリヤの元社長、堀埜一成さんです。
堀埜さんは2009年に社長に就任し、2022年までの13年間、サイゼリヤを支えてきました。元々は味の素の生産技術者でしたが、2009年1月に突然、サイゼリヤの会長から「4月から社長になれ」と言われたそうです。
わずか2ヶ月で社長に就任するというスピード感。しかもその時、会社は140億円もの借金を抱える厳しい状況でした。しかし堀埜さんは独自の戦略で会社を立て直し、利益は6倍に。
危機的状況から奇跡的なV字回復を成し遂げた堀埜さん。今回は、私、伊藤との特別対談形式で、サイゼリヤの成功を支えた経営革命と集客戦略についてお話しいただきました。
まずは、サイゼリヤが実践するSNS時代ならではの「口コミ戦略」についてお話しいただきました。サイゼリヤといえば、炎上騒動やYouTubeでのタレントやYouTuberによるファン目線の投稿が話題になったこともあります。こうした状況に対し、堀埜さんは「絶対に会社側からコメントを出すな」という方針を貫き、自然な情報拡散を重視したそうです。
SNSは様々な面で宣伝に役立つため、特に新製品の反応を確認するために活用しました。「アンケートを書いてもらっても、どうしてもみんなかっこつけたり、偏ったりしやすい」という理由から「#サイゼリヤ」のハッシュタグを通じて、顧客の生の声を直接把握していたそうです。
この戦略により、マーケティングコストをほぼゼロに抑えながら、効果的な宣伝と顧客の声の把握を同時に実現したのです。
さらに、サイゼリヤの低価格戦略の裏側も明かしていただきました。「ミラノ風ドリア300円」「ワイン100円」という価格設定は、なんと会長の直感で決められていたそう。
この顧客目線の価格設定により、客足が落ちる時間帯となる「アイドルタイム」をなくし、85%以上という驚異的な店舗稼働率を実現しました。
サイゼリヤの味の秘密についてもお話しいただきました。堀埜さんによると、美味しさを追求するよりも、まずくないことに重きを置いているそうです。
特に注意しているのが、塩分と油の酸化。例えば、ホワイトソースは胸焼けしないよう工夫されています。ワインについても徹底した品質管理を行い、温度変化を防ぐために船の最下部で輸送しています。
サイゼリヤの成功の核心となる経営哲学について「大事なことは与えるのが先です。しかも人のためにやりましょう、自分のためじゃないですよ」とおっしゃっていました。この言葉が非常に印象的でしたね!
参加者からは「目から鱗が落ちた」「経営の本質を学んだ」といった感動と共感のコメントでチャットは大盛り上がりでした!ビジネスの規模やジャンルに関わらず、全ての参加者にとって貴重な指針となるお話でしたね。堀埜さん、本当にありがとうございました!
13:35~ 株式会社亜門 代表 甲田めぐみ 様
次にご登壇いただいたのは、人気うなぎ店チェーン「亜門」の代表取締役、甲田めぐみさんです。
甲田さんは5年前に起業し、美容業をはじめ様々な業種を経験しました。食に対する情熱からフランス留学や三ツ星レストラン「ロブション」での研修を積み、食関連のプロデュースやコンサルティングを手がけてきました。現在はうなぎ店チェーン「亜門」の経営をしていて、5店舗目となる神楽坂店を準備中だそうです。
ヒット商品を産むにあたって、まず重要なのは、日本の飲食市場における消費者ニーズの把握です。具体的には市場調査に基づいたコラボ商品や、季節性・地域性を意識した商品開発が主流となっています。
ファミリーレストランチェーンと人気アニメのコラボメニューが大ヒットした例のように、ターゲット層に合わせた斬新な企画が成功を収めています。また、健康志向やサステナビリティを取り入れた商品も増加しているそうです。
さらに、有名シェフとのコラボレーションや新要素の導入など、革新的なアプローチも商品開発の軸になっています。
亜門の成功の鍵は、高級食材であるうなぎを手頃な価格で提供できる独自のビジネスモデルにあります。
海外で日本うなぎを養殖し、逆輸入することで、高級店と同品質のうなぎを1,000円台で提供。他にも、自社開発のタレやこだわりのお米で「他社には真似できない美味しさ」を追求しています。
SNS集客では、特に「プレスリリース」と「MEO対策」が効果的だそうです。Google マイビジネスを活用した「MEO対策」の効果についてもお話しいただきました。
亜門では、MEO対策を月額3万円で専門会社に委託しています。店舗やスタッフの負担なしで、プロフェッショナルな分析と結果を得られるのが強みです。
さらに、MEO対策は一度実施すれば効果が蓄積し、数年間にわたって継続的な成果が期待できます。このような長期的な費用対効果の高さから、MEO対策は亜門の店舗マーケティングの中心になっています。
例えば、7ヶ月間MEO対策を行った結果亜門の武蔵小杉総本店では、月額3万円の費用で、6,000人以上のユーザーから反応(クリックや電話など)を得られたそうです。その結果、1人あたりの集客コストは約35円に。
特に効果のあった丸亀店では、2ヶ月で6,100人の反応があり、1人あたりのコストは約10円まで下がったとのことです。通常の広告と比べても低コストかつ効果的な集客ができることがわかりますよね。
甲田さんがうなぎ事業を選んだ理由は、シンプルに「うなぎが大好き」だったからだそう。この「好き」という気持ちが、商品開発からマーケティングまで一貫した戦略となり、ビジネスの成功につながっているのでしょう。
「亜門」は年内に10店舗展開を目指しているとのことで、今後がますます楽しみですね!甲田さん、貴重なお話をありがとうございました!
14:05~ 抽選会
弊社のイベントでは、リアルタイム参加者向けの抽選会を実施しています。
今回は、抽選で20名様に全国共通お食事券ジェフグルメシェフカード1,000円分をプレゼント。
毎回大好評のこちらの抽選会ですが、今回も応募者多数で大盛り上がりでした。
抽選に当たった方、おめでとうございます!
14:15~ 株式会社ダイワ 代表取締役 大山皓生 様
3番目は、実家の八百屋を継ぎ、株式会社ダイワの代表取締役となった大山皓生さんです。
大山さんは、2018年に祖父が創業した家業「ダイワスーパー」に入社後、わずか2ヶ月という短期間で社長に就任することになったのです。しかし、社長に就任した初日に、3,000万円の赤字があることを知りました。
大山さんは、ほうれん草と小松菜の違いもわからないぐらいの八百屋のスタートだったと振り返ります。それでも「やれることは何でもやる」という強い意志で挑戦を続けました。この6年間でフルーツサンドを300万個、かき氷を15万杯販売し、インスタグラムは3日に1回のペースで1,500回投稿。
その結果、売上は右肩上がりに成長し、コロナ禍にも関わらず大きな躍進を遂げました。「フルーツサンドと言えばダイワ」と呼ばれるほどのブランドへと成長を遂げたのです。
家業を継ぐという重責を背負い、飲食業界の厳しい現実に直面しながらも、事業をV字回復させた経験をもとに、中小企業や零細企業の経営者に向けてのアドバイスを共有してくださいました。
それは、大手企業と同じ土俵で戦っているという現実を認識しつつ「大手がやっていないこと」に注力することが重要だということです。つまり、大手ができない戦い方をやり続けることがコツになります。
例えば、大山さんの経営するダカフェのコンセプトは「人で売る」という点にあります。
美味しさやお客様に合わせた柔軟なサービスはもちろん「人に焦点を当ててお客様に選ばれること」を大事にしています。実際に、大山さんがお客様にアンケートをした際「スタッフの人柄の良さ」や「値段以上のサービス」がダカフェの良さとしてあがったそうです。
さらに「メンズ営業」や「ブラックフライデー」など、話題性のある企画を次々と打ち出しています。
他にも、大山さんは、経営者自身の魅力の大切さについてもお話ししてくださいました。「また〇〇したい」と思わせる人こそが魅力的で、経営者自身が顧客を引きつける存在になるのです。
例えば「またあの人の話を聞きたくなる」「またあのお店の料理を食べたい」など。「また来たい」と思ってもらうためにもお客様との関わり合いを通じて、あなた自身の人としての魅力を伝えていくことを意識することがポイントです。
チャットでは「SNSの力を改めて感じた」「危機を乗り越える力強さに感動した」といった感想を多くいただきました。大山さん、貴重なお話と行動を起こす勇気をいただき、ありがとうございました!
14:45~ 株式会社縁多 代表取締役 岳野めぐみ 様
4人目には、ケーキ専門店の成功法則について、株式会社縁多 代表取締役の岳野めぐみさんにお話しいただきました。
岳野さんは海外や銀座で女将としての経験を積んだ後、得意なSNSを駆使して広報の仕事に携わり、SNS支援を軸とした講師やPR活動を展開。これらの経験で得た店舗集客の知見を生かし、現在は、ケーキ屋さんを開業しています。
2023年11月4日にオープンした「新宿歌舞伎町の人気No. 1夜カフェ」は、わずか5坪の小さな店舗ながら、2024年8月には月商480万円を達成。 「おひとり様用ホールケーキ」という斬新でユニークなコンセプトと、夜営業に特化したビジネスモデルが大成功の鍵だそうです。
岳野さんのケーキ屋の最大の強みは「SNSマーケティング」だと言います。
プレスリリースやインフルエンサーマーケティングなど、幅広い集客戦略についてもお話しいただきました。岳野さんの場合、有償でのインフルエンサー起用は一切行わず、魅力的な商品開発によって自然な口コミを促進しているそうです。
「インフルエンサーさんもネタを探しているので、自分自身のアカウントも差別化したい。だから、こういう特徴的なお店には向こうから声をかけてくれるんです。」と、独自のコンセプトの重要性を説明しました。
さらに岳野さんは、繁盛店の秘密として「売れるカフェの3つのポイント」についてもお話ししてくださいました。 売れるカフェには「唯一無二のコンセプト」、「メインの商品開発」、そして「圧倒的な集客導線の確立」が必須となります。
中でも、コンセプト設計においては自分のこだわりや好きなことではなく、ターゲットを明確にし、市場リサーチを徹底することが重要です。例えば、岳野さんの夜カフェでは「おひとり様用ホールケーキ」をコンセプトにしています。
唯一無二のコンセプトであるほど、お客様に選ばれる理由が明確になり、他店との差別化を図りやすいです。 だからこそ人気のお店をリサーチしたり、店員に直接聞いたりして、しっかりと市場リサーチをすることが重要になります。
他にも、圧倒的な集客導線を作ることが大切になります。お客様に選ばれるためには、まず「お店を知ってもらっているかどうか」が大前提ですよね。集客につながる正しいSNS運用やターゲット広告活用では、ひとつでも良いので「ここだけは強い」と胸を張れるような、集客経路の確保を意識しましょう。
最後に岳野さんからは「人に優しくすれば人が集まってお金が集まる」という集客の極意を共有していただきました。 サービスの質はもちろん、目の前の人に優しく接することが、長期的な集客には欠かせません。
これはお客様だけでなく、スタッフや周りの人すべてに当てはまる考え方ではないでしょうか。
岳野さんからは、飲食店経営におけるSNS活用の極意はもちろん、繁盛店に欠かせないポイントを分かりやすく教えていただきました。 岳野さん、貴重なお話をありがとうございました!
15:15~ 株式会社DAZY 代表取締役 林龍男 様
1日目の最後の登壇者は、株式会社DAZYの代表取締役で、だるま酒場を含む4店舗を経営する林龍男さんです。
林さんは大学卒業後、海外の日本食飲食店で働いていましたが、コロナ禍のロックダウンで退職を余儀なくされました。しかしこの逆境をチャンスに変え、2021年10月、コロナ禍真っ只中のタイミングで自身の飲食店を開業しました。
「将来的には脱サラして、自分のお店を経営したい!」と考えている方も多いのではないでしょうか?実は、林さんは脱サラ経験者で、現在の飲食店もほとんど未経験の状態からスタートしたそうです。
今では毎年1店舗以上のペースで出店されていますが、大前提、飲食店経営というのはかなりハードなビジネスになります。
実際に飲食店をオープンできたとしても「5年以内に5店舗中4店舗、10年以内に10店舗中9店舗が閉店する」と言われるほど。それほど厳しい世界だからこそ飲食店経営をするなら「どれだけ本気か」「人生をかけて開業したいと思えるか」といった覚悟が欠かせません。
次に、飲食店経営における最初の壁ともいえる「資金調達」について、赤裸々に語っていただきました。
実は林さんは「令和の虎」に出演した経験があります。
出演時には、借り入れできるだろうと思い積極的に話を進めましたが、残念ながら期待通りの結果は得られませんでした。「最近は創業融資を取らないことが多いよ」と言われ、危機感までも感じたそうです。
しかし、その後の努力で状況は一変します。銀行から創業融資を得るために作成した創業計画書には、熱量が伝わるよう具体的な展望や思い、数値などの全てを書き込み、詳細な売上シミュレーションも提示しました。
結果、日本政策金融公庫から700万円、信用金庫から500万円、合計1,200万円の融資を獲得したのです。
その後もオープン後の実績報告を通じて銀行との信頼関係を築き、4店舗展開に向けて総額7,700万円もの資金調達に成功。この経験から、創業融資獲得の鍵は「数字と熱量」にあるということです。
また、立地選定における考え方としては「アクションとリアクション」が大事になります。
アクションは理想の店舗に向けて自ら行動することであり、リアクションは魅力的な話に素早く対応することを意味します。特に重要なのは、その業態やターゲット、客単価で実際に繁盛しているかどうか。「やりたいこと」より「成功の再現性」を優先する必要があります。
実際に調査する際は、ネットでの口コミ確認、食べ歩き、そして店舗スタッフへの直接取材などを徹底的に行いました。出店を検討する場合、同ジャンル・同価格帯など、既存店の評価を綿密にチェック。高評価なら理論的に「成功の可能性が高い」と判断できるとのことでした。
「本気の脱サラ経営」を体現する林さんの熱意あふれる話から、飲食店経営に真摯に取り組むことの重要性を強く感じることができました。林さん、貴重なお話をありがとうございました。
さいごに
「食欲の秋!集客の秋! 繁盛店の秘密がわかる 飲食集客フェスティバル2024 」の1日目では、スペシャルゲスト5名から非常に参考になるお話を聞けましたね!
トップを走る経営者のお話は学びが多く、チャットも常にアクティブで、皆様のおかげで大盛り上がりの中、幕を閉じました。
そして、登壇者全員が口を揃えて強調したのは、飲食店経営は経営戦略や商品開発、マーケティングなど、幅広い分野での継続的な努力が必要だということです。特にSNSを活用した集客・認知向上は、現代の繁盛店には欠かせません。
限られた時間と資源で最大の効果を生む「人気店のSNS活用の極意」については、イベント2日目にSNS活用のプロフェッショナルたちからさらに詳しくお話しいただきました。
飲食集客フェスティバル2024の2日目レポートも、お楽しみに!